2015年11月11日

14,無資格マッサージ - まとめ

今現在社会に手技療法の○○学院とか、○○スクールなどが堂々と開校されている中、手技施術を仕事にしたいと思う人たちが、何の疑問も抱かないで資格を取得しようと思うのは当然の事でしょう。

ある意味無資格者の方たちも、有資格者からは無資格呼ばわれされ、自分たちのポジションが何なのか分からなく、政治や行政の被害者だとも言えます。

当院にも出張専門で、整体を仕事にしている方が、お客さんとして来院しております。来院する度に私から「無免許は儲かってるか?」と嫌味を言われながらも、商売上のお付き合いをしている方もおります。

しかしグレーゾーンを良いことに、有資格者の職域に対する侵害は、留まるどころかエスカレートするばかりで、どちらが法律に基づく専門職なのか、何でもあり状態になっております。

そんな中、平成26年9月に関西の友人から、「無資格のベビーマッサージで乳児死亡」という記事が新聞に出ているとの連絡がありました。初孫を待望していた私にはショッキングなニュースであり、無資格問題の波紋が「乳児の命にまで及んでしまったのか!」と怒りを覚えました。

調べてみると、地元でもそのような施術やスクール・講習会を開いている所があるのを知りました。患者さんにこのようなニュースがあったのを知っているか尋ねても、誰も知っている方はおりませんでした。

平成27年8月に執行猶予つきの禁固刑が降されたようですが、これが単なる乳児だけの過失事故で終結されるのであれば、毎年国民生活センターに寄せられる健康被害の相談者は報われません。何の規制もしなければ、今後永久にこのような事故が起こる可能性を固持する事になります。

このような手技施術の様々な問題を、広く国民の皆さまに知っていただきたく、真剣に考えていただくために、現状をお伝えしております。そして政治や行政には、もっとこの無資格問題には知恵を出していただきたいものです。

法律では無免許で「あん摩・マッサージ・指圧」を業務としてはならないと規制しております。
ではどんな行為をすれば無免許行為として処罰されるのかと問われれば、「無免許であん摩・マッサージ・指圧を行った場合です」と、お笑い芸人のやり取りのような回答しか出来ず、最終的には法律に定義が明記されていないからと、厚労省は逃げてきました。

「取り締まるべきものは取り締まる」と言いながら、法律で規制している行為を定義しないまま、毎年国家試験が実施され、国から交付される免許とは何なのでしょうか?
法律を定義しないまま、免許を交付し続ける国家や政治家の責任も問われるべきです。

エステなどのように、美容を目的とした施術には、私自身頭の中では容認しております。
しかし、なぜ美容を目的とした施術をも批判するかと言えば、「肩こり解消!」「冷え性解消!」「むくみもバッチリ解消!」「副交感神経・・・」「免疫力・・・」などと、自らの施術で効果・効能を唱えているからです。

肩こり・腰痛・冷え性など、一般常識として辛さや苦痛を伴うものです。それを意図的に唱えると言う事は、美容目的とはかけ離れており、治療行為を行っていると言ってる事であります。

疾病の治療、又は保健の目的をもって行う行為は、医療者・届出をして、一世一代医業類似行為(療術)を許された、医業類似行為者にしか許されていない行為です。

セルフケアとして、こうすればこんな効果が期待できますと言う情報発信であれば、表現の自由もありますが、業として他人に施術して効果・効能を発信して集客する事は慎むべきです。

自分たちは民間資格の療術・医業類似行為だと主張しておりますが、日本にはもはや法律で認められている療術・医業類似行為は存在しません(いたとしたら届出をした85歳を超えている医業類似行為者だけです)。

健康に害を及ばさなければ何でも自由というのであれば、医師法から「第十七条」の条文が削除されないのはなぜでしょう?
あはき法から医業類似行為を禁じている「第十二条」の条文が削除されないのはなぜでしょう?

それは医業類似行為を禁じている「第十二条」が、職業選択の自由を保障している「憲法第二十二条」に反していない「合憲」だと最高裁が判決を下しているからです。
つまり、最高裁は療術・医業類似行為(無免許者の業務行為)は、公共の福祉に反する健康に害を与える恐れのある業務行為と認定したのです。

だからこそ医業類似行為を禁じている第十二条が、合憲な法律であると判決を降しているのです。
そうでなければ最高裁は、あん摩マッサージ指圧・鍼灸・柔道整復を除く、療術・医業類似行為を全て禁じた第十二条を制定した、立法に誤りがあったとして、第十二条を違憲な法律であると判決を降し、第十二条の削除、あるいは条文の修正を命じなければ整合性が維持出来ません。

しかし、その時々の現状とのギャップにツジツマを合わせるために、行政が法解釈を変化させて対応してきたため、根底となる法律との矛盾が生じてくるのは当たり前なのです。

誤解されたまま社会に定着している、事故や損害を与えさえしなければ何でも自由と言うのであれば、運送会社がなぜ「貨物自動車運送事業法」で規制されるのでしょうか?
運転手は皆運転免許を保有してトラックを運転しているのですから、法律上荷物を積んで公道を走る権限はある筈です。

タクシー運転手は、なぜ二種運転免許が必要なのでしょうか?
一種運転免許で、他人を同乗させて走っても違法ではありません。事故で同乗者にケガをさせたら、自動車任意保険で賠償される筈です。

理容師や美容師はなぜ免許が必要なのでしょうか?
髪の毛を切ったり顔を剃ったりする事は、普通に家族間でやっている事です。
介護福祉士や介護ヘルパーは、なぜ免許・資格が必要なのでしょうか?
介護は普通に家族間で行われている事です。

それらは職業として他人から対価を得る以上、法律に基づく専門知識と技術の提供、及び公共の福祉に反しないよう規制し、義務と責任を課しているからであります。

しかし、無資格手技は何一つ義務も責任も問われないまま放置され、まるで特権でも与えられているかのように、東洋医学を語り、あたかも専門職かのように振る舞って、我々国家免許者の身分と職域の侵害を繰り返しているのです。

なぜ我々の手技業種の免許者だけが、不条理で不当な扱いをされなければならないのでしょうか?

今現在HPやブログは、広告ではなく情報発信としての扱いで広告の制限を受けておりませんが、これが家電メーカーや医薬品メーカーのHPだったら許されるでしょうか?

家電メーカーや医薬品メーカーが、HPは広告ではないからと言って、自分たちの利益のために、根拠のない事や違法な事ばかり記載したらどうなるでしょう?。確実に消費者庁から行政指導・行政処分されます。そして企業としての信頼も失われるでしょう。

厚労省はHPを情報発信の扱いとして、広告の制限を課していませんが、消費者庁は例えHPであっても、「景品表示法」「不正競争防止法」に抵触するものは、行政指導・行政処分しております。

◎手技のHP行政処分例

一般社団法人美容整体協会に対する景品表示法に基づく措置命令について_国民生活センター

情報発信だからと言って、医療者・医業類似行為者の業務範囲を侵害するような事を記載したり、自らの施術に、裏付けとなる合理的な根拠を示せない事を記載して、店名を出して集客する事が正しい事でしょうか?
会社名や店名を出して記載する事が、個人の情報発信と言えるでしょうか?

車やオートバイを運転するにはそれぞれの免許が必要です。しかし公道を歩いたり走ったりする人や自転車は、何の免許も不要ですが、「道路交通法」という大きな範囲の法律でルールが決められています。

基本的には国家免許者以外の手技療法は認めるつもりはありませんが、その考え方と同じように、例えば「施術法」などという大きな範囲の法律で、個別の免許制度を作らなくても、既存免許者の職域や権限を侵害しないよう、出来る行為と出来ない行為を明確にし、きっちり住み分けするのも一つの方法です。
その範囲以上の事をやりたいという者は、国家免許である「あん摩マッサージ指圧師免許」を取得するべきです。

名称が「あん摩・マッサージ・指圧」では嫌だというのであれば、登録商標されていない名称であれば、好きな名称を看板に掲げられるよう、あはき法の「広告の制限」を改正して、国家免許者が整体でもカイロでもリラクゼーションでもリンパマッサージでも表示出来るようにすれば良い事です。
本来それらの業務行為は、「あん摩・マッサージ・指圧」の業務範囲なのです。

どうしても登録商標されている名称を使いたいのであれば、商標権所有者(団体)から使用権を得るしかないでしょう。国家免許者が今まで民間資格で表示して罷り通る名称を表示出来ない事の方が、矛盾している事なのです。

このページを加筆しながらも、当院に来院している整体師の方から、「自分たちも飯を食うのに必死なんだから、あまり叩かないでくれよ」と苦笑いされながら、複雑な思いで加筆して参りました。

政治や行政には、知恵と汗をかいていただき、一日も早くこの無資格問題を解決していただきたく願っております。

そのためには私たち当事者でなく、国民から無資格問題に関して多くの声を届けていただきたく思います。

◎要望・質問の届先
「国民の皆様の声」募集 送信フォーム|厚生労働省

せめて「乳幼児への施術だけでも早急に規制しろ!」と声を届けてください。
そして一日も早く、このような無資格マッサージの啓蒙ページが、ネット上から削除出来る日がくる事を願っております。


最終編集日:2015/11/11:オリエンタル 院長

【無免許マッサージ問題の最新記事】
posted by オリエンタル院長 at 22:32| 無免許マッサージ問題