2015年11月11日

10,無資格マッサージ - あん摩 マッサージ 指圧師免許を保有しない民間手技療法は違法であると主張する根拠法と事実

歴史的事実と公文書は、いくら屁理屈を並べ立てても、決して覆す事は出来ません。
全ての根源は、過去の最高裁主文の一部分である「人の健康に害を及ぼす恐れのある業務行為に限局」に過剰反応し、拡大解釈し、「昭和三十五年三月三十日付け医発第二四七号の厚生省医務局長通知」にあるのです。

最高裁から合憲と判決されている、医業類似行為を禁じている法律を無視しながら、いつの間にか「恐れのある業務行為」を、「因果関係の立証」に解釈を拡大し、それを長年正しい解釈に軌道修正しないまま、あはき法を運用している現厚労省にあるのです。

今までも裁判で、施術と事故の因果関係が立証されている事例があるにも関わらず、未だ禁止になった民間手技療法は一つもありません。そして拡大解釈を修正しないまま、取り締まりを放棄してきたのです。

国民生活センターの公表をきっかけに、美容師免許を有しない、まつ毛エクステンションを業としていた人たちは職を失いました。

その中で一度もケガを負わせる事も無く、生業していた人たちは、医業類似行為の現状をどのように感じているのでしょうか?

◎日本国憲法第二十二条

1,何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する。
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◎厚生省医務局長発令(昭和二十三年六月)

「医業類似行為の中でも疾病治療を目的としかつその可能性のある行為は医の行為であってこれを業とすることは医業となるもので、医業類似行為ないしは療術行為と称されているものの中には、実質的に医業に属するものが相当数あり、これらの行為は免許を受けた医師でなければ業としえない性質のものである」

「医業類似行為とは「疾病の治療又は保健の目的を以て光、熱、器械、器具その他の物を使用し若しくは応用し又は四肢若しくは精神作用を利用して施術する行為であって他の法令において認められた資格を有する者が、その範囲内でなす診療又は施術でないもの」
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◎医師法第十七条(医師法 昭和二十三年七月三十日法律第二百一号)

医師でなければ、医業をなしてはならない。
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◎司法による医業類似行為の定義認定:仙台高裁(昭和二十九年六月二十九日)

論旨は右被告人の行った療法はあん摩師、はり師、灸師、柔道整復師法にいうところの医業類似行為ではないと主張するので、これを案ずるに右法律第十二条にいうところの医業類似行為とは『疾病の治療又は保健の目的を以て光熱器械、器具その他の物を使用し若しくは応用し又は四肢若しくは精神作用を利用して施術する行為であって他の法令において認められた資格を有する者が、その範囲内でなす診療又は施術でないもの』

換言すれば『疾病の治療又は保健の目的でする行為であって医師、歯科医師、あん摩師、はり師、きゆう師又は柔道整復師等他の法令で正式にその資格を認められた者が、その業務としてする行為でないもの』ということになるのである。
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◎あはき法第十二条

何人も、第一条に掲げるものを除く外、医業類似行為を業としてはならない。ただし、柔道整復を業とする場合については、柔道整復師法(昭和四十五年法律第十九号)の定めるところによる。

※ 「第一条に掲げるもの」とは、あはき師の事では無く、あん摩マッサージ指圧・はり・きゅうの業務の事である。
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◎最高裁判決(昭和三十五年一月二十七日)

憲法第22条は、何人も、公共の福祉に反しない限り、職業選択の自由を有することを保障している。

されば、あん摩師、はり師、きゅう師及び柔道整復師法第12条が何人も同法第1条に掲げるものを除く外、医業類似行為を業としてはならないと規定し、同条に違反した者を同第14条が処罰するのは、これらの医業類似行為を業とすることが公共の福祉に反するものと認めたが故にほかならない。

ところで、医業類似行為を業とすることが公共の福祉に反するのは、かかる業務行為が人の健康に害を及ぼす虞があるからである。

それ故前記法律が医業類似行為を業とすることを禁止処罰するのも人の健康に害を及ぼす虞のある業務行為に限局する趣旨と解しなければならないのであって、このような禁止処罰は公共の福祉上必要であるから前記法律第12条、14条は憲法第22条に反するものではない。
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◎国民生活センターの公表

『手技による医業類似行為の危害−整体、カイロプラクティック、マッサージ等で重症事例も』
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◎最高裁第2回上告審判決(昭和三十九年五月七日)

同第二点は、あん摩師、はり師、きゅう師及び柔道整復師法十二条の医業類似行為の内容が、明確でないことを前提として、憲法三十一条違反をいうものである。

しかし、前記法律、十二条は「何人も、第一条に掲げるものを除くほか、医業類似行為を業としてはならないと規定し、同法、一条に掲げるものとは、あん摩(現あん摩マッサージ指圧)、はり、きゅう及び柔道整復の四種の行為であるから、これらの行為は、何が同法、十二条の医業類似行為であるかを、定める場合の規準となるものというべく、結局、医業類似行為の例示とみることができないわけではない。

それ故、右十二条が所論のように、犯罪行為の明確性を欠くものとは認められず、違憲の主張は前提を欠くものであって、採るを得ない。
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◎厚生省医事課長通知(昭和41年9月26日)

医行為であるか否かは、その目的又は対象の如何によるものではなく、その方法又は作用の如何による。医行為の目的は治療に限定されない。
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◎大審判(昭和元年12月25日) 東京高裁判決(昭和42年3月16日) 浦和地裁川越支部判決(昭和63年1月23日)

人体への危険性は、人の健康に害を及ぼすことが具体的に認められるものであることを要せず、抽象的危険性で足りる。
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◎医業類似行為に対する取扱いについて(平成三年六月二八日 医事第五八号)

(2)あん摩マッサージ指圧、はり、きゅう及び柔道整復以外の医業類似行為について
あん摩マッサージ指圧、はり、きゅう及び柔道整復以外の医業類似行為については、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律第十二条の二により同法公布の際引き続き三か月以上医業類似行為を業としていた者で、届出をした者でなければこれを行ってはならないものであること。

したがって、これらの届出をしていない者については、昭和三十五年三月三十日付け医発第二四七号の一厚生省医務局長通知で示したとおり、当該医業類似行為の施術が医学的観点から人体に危害を及ぼすおそれがあれば禁止処罰の対象となるものであること。
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◎国民生活センターの公表

『手技による医業類似行為の危害−整体、カイロプラクティック、マッサージ等で重症事例も』
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◎あはき法第一条

医師以外の者で、あん摩、マツサージ若しくは指圧、はり又はきゆうを業としようとする者は、それぞれ、あん摩マツサージ指圧師免許、はり師免許又はきゆう師免許(以下免許という。)を受けなければならない。
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◎あはき法第十二条の二

この法律の公布の際引き続き三箇月以上第一条に掲げるもの以外の医業類似行為を業としていた者であつて、あん摩師、はり師、きゆう師及び柔道整復師法等の一部を改正する法律(昭和三十九年法律第百二十号。以下一部改正法律という。)による改正前の第十九条第一項の規定による届出をしていたものは、前条の規定にかかわらず、当該医業類似行為を業とすることができる。
ただし、その者が第一条に規定する免許(柔道整復師の免許を含む。)を有する場合は、この限りでない。

※ これによって届出をしていた医業類似行為者に限り、一世一代その医業類似行為(療術)を、業務とする事が許されるようになりました。
従ってその療術師たちも、あはき法によって管理監督され、あはき師と同じように義務と責任が課せられております。
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これだけの事実と根拠法がありながら、一流の法治国家が法の解釈を曲げてまで、無資格者を野放しのまま放置する理由が見つかりません。


最終編集日:2015/11/11:オリエンタル 院長
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posted by オリエンタル院長 at 23:00| 無免許マッサージ問題